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裏切りの先にみえるもの。

  • BOBIN
  • 8月29日
  • 読了時間: 2分

更新日:9月18日


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信じていた人に裏切られたとき。 それは、自分の力ではどうにもできない理由で、 生活も、心の安心も、そして命さえも脅かされるような瞬間。


よく「心に穴が開く」って言うけれど、そんな生易しいものじゃないよね。

それはまるで、自分の部屋の壁が爆撃で吹き飛ばされて、 床の先にはむきだしの瓦礫の山と、荒れた外の景色が広がっているような感覚。 雨風をしのぐ屋根すらなくなって、 そこにあったはずの安心やぬくもりは木っ端みじんに吹き飛ばされ、もうどこにも見当たらない。


こんなとき、誰かが隣にいてくれたらって思う。 苦しさを言葉にして吐き出したら、ただ「そうだね」って返してくれるだけでいい。 それだけでどれだけ心が救われるだろう。


でもね、衝撃的な出来事って簡単に人に話せないことが多い。 しかも、よりによって本当は一番に寄り添ってほしい人からダメージがもたらされたりする。 こんなこと、誰にも言えない。 わかってもらえるはずがないって、心が勝手に決めつけてしまう。


もし誰かに話したら、 「あなたが注意しなかったから」 「もっとしっかりしていればよかったのに」 「なんで気づかなかったの?」 そんな“善意”のアドバイスという名の遠回しな非難を受けるかもしれない。 だから誰にも頼れない。誰かに話して理解して貰えないくらいなら、はじめから誰にも知られたくない。


心がズタズタになって、動けなくなる。 苦しさに逃げ場はなくて、息をするのもつらくなる。 そして、逃げ場を失ったその痛みが、 今度は自分自身に刃を向けはじめる。

「私の何がいけなかったんだろう」 「どこから間違えたんだろう」 「あの人に出会わなければよかったのかな」 「あの時、違う選択をしていれば…」 「そもそも、この世界に生まれてきたことが間違いだったのかもしれない!!」

些細なことで笑えていた日々が、果てしなく遠くに感じる。 退屈で当たり前だった日常はもう別の世界みたい。 普通を生きている人たちにはきっと理解してもらえない。 誰もいない、暗くて冷たい場所に、ひとりで追いやられてしまう。


たぶん、ここは地獄じゃない。 よく天国と地獄は上下関係で語られるけれど、それは平面で地続きにあるもの。これが世界の端っこ。さまよい歩き回っていると、時々足の裏に“死”の感触がして、 思わずぶるっと震えて、慌てて足を引っ込める。


もう、どうやっても日常には戻れない気がする。 そもそも出口などはどこにもないのだから。

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